ビール片手に映画ナイト☆オブ・ザ・デッド

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『レッド・ファミリー』

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『レッドファミリー』
2013年韓国映画

2015年5月観賞


おじいちゃん、夫婦、高校生の娘。誰もが羨む優しさに溢れた理想の一家。しかし、家に入ったとたんに急変‼突如として変わる妻‼実は彼らは北朝鮮工作員だったのです‼そして、妻がリーダーだったのです‼(男尊女卑の傾向にある韓国社会。女性への暴力が頻繁にある中、男たちをビンタする妻役が新鮮)

一方、隣の韓国人一家はうだつのあがらない旦那に浪費癖で家事もしない妻、いじめられっ子の息子、おばあちゃん。

そんか隣に翻弄されつつ段々と仲良くなっていく一方で、北偽一家に変化と困難が訪れていく…


最初はかなりコメディタッチ。
下らない隣人一家に資本主義の愚かさが見えたり、隣のケンカする声がガンガン聞こえるのに、なんで偽一家の声が向こうに聴こえないのよ~(笑)とか、突っ込みつつ笑えたわぁ(笑)隣家族、酷いのよwww

で、次に訪れるサスペンス的要素。ドキドキします‼

でも、どんどんシビアになっていきます…



日本人の我々からみたら、北朝鮮は「悪」である。韓国から見てもそうであろう。
でも、その観念を覆される。
北一家の言っている事は至極全う。食べ物を大事にし、家族を人質に取られその命・自らの命も危うい状況の中、「生と死」に敏感であり、鳥の死骸も尊む。暗殺命令に心を痛ませ、己の家族を想う。国と人は違うのだ。

幾度となく出てくる隣の一家のケンカ。
家族を装いつつも家族のような絆を築き、なおかつ本当の家族の安否と再会を望む偽一家の「家族」というものへの渇望と対比して、非常に稚拙。稚拙すぎる(笑)
しかし、それはまたリアルな家族そのものであり、最初は蔑んでいた北の「家族」の中に、南の「家族」への気持ちの変化が訪れるのです。


ラストに向けて両家で歌う「アリラン」。ヤバイす…元々はひとつの国であった両国…この歌を歌う二家族の表情…

更に、アリランをBGMに迎えるラストで号泣してしまいました…

ぶっちゃけ突っ込み要素ありますよ(笑)
でも、重すぎず単純に笑えてエンターテイメントさもあり楽しめるし、後半涙腺をかなり刺激します。

俳優陣もかなり良いです‼
主役たち、素晴らしい♪妻の涙、夫とおじいさんの人柄、思春期の娘のクールさと戸惑い。皆、表情が良い♪

数回ある両家の会食シーンは見物です‼変化‼盗聴による“表現の自由”の規制、実直な自分の気持ち、北への忠誠、
そこに隠れれる家族への想い…

あと、脇役の「野うさぎ」と呼ばれる工作員の話も異様にリアルで良かった。あのおばちゃんはナシだろ~(笑)っていうおばちゃんと色々ありますw


星4.9
シビアとコメディのバランスがうまくとれた映画でした

あ~、泣いた泣いた

製作総指揮・脚本、キム・ギドク