『サンタ・サングレ』
またホドロフスキー監督。ほんと、彼の映画がレンタルで見れるとか、今までなら奇跡っ‼『エルトポ』だって30年封印されてたし(悪名高いアラン・クレインのせい)‼
1989年イタリア・メキシコ映画。
サーカス団長で酒びたりの父オルゴと、
両腕のない少女とそこから流れた血を崇拝する「サンタサングレ」という教団の狂信的な信者の母コンチャの息子フェニックス。
少年マジシャンの彼は、入れ墨女が連れている綱渡りのアルマという聾唖の少女と心を通わせている。
しかしある日、オルゴの公然的な愛人の入れ墨女との浮気現場を目撃したコンチャは激昂し、オルゴの股間に硫酸をかける。怒り狂ったオルゴはコンチャの両腕を切断し、自らの首を切り自殺。
その様子を目撃してしまったフェニックスは、精神を病んでしまう。アルマも入れ墨女に連れられて、離ればなれに……
それから、長い年月が。フェニックスは大人になっても精神病院にいた。自分を鳥であると思い込み…
たまたま連れて行かれた風 俗街で入れ墨女を目撃。
そして、突然現れた母コンチャとともに暮らす事に。
母の腕となる“二人羽織”(←素敵)でショーの人気者となるが……
この作品はまっとうなサスペンスホラー。
「初めて観客を意識して作った商業的作品」なので、わかりやすいよ。
ダリオ・アルジェントなどのジャーロ(イタリアの殺 人鬼ホラーの事)に近い。プロデューサーがアルジェントの弟だし。
でも、ホドロフスキー節は健在で、エログロも小人も裸体もやはりあるよん♪不可思議な世界観。
ラテンの音楽の陽気な中、妖艶で耽美な世界。
サーカスや舞台などの、日常生活とは異質な世界。
溢れる色。赤。
そんな中で描かれるのは、肉欲と依存とトラウマと倒錯。
母の呪縛から抜け出す事のできないフェニックス。
その感情が、繊細に詩的にあらわされていました。
父にお揃いのフェニックスの入れ墨を彫ってもらい、それを見たアルマが手で鳥を作って羽ばたかせるシーン、美しかった。
「男」になるということ、自立、母と息子という永遠のテーマの映画でした。
上でわかりやすいとは書いたものの、深く深く考える事もできる映画です。
ここでは書きません。
ラスト、思わず涙。
星5‼
「血」と「手」‼
[asin:B00CWXZ6ZM:image:large]
http://mikimickle.hatenablog.com/entry/2015/05/25/152927
[asin:4900728624:detail]http://mikimickle.hatenablog.com/entry/2015/05/25/153913
[asin:B00UA15NZQ:detail]http://mikimickle.hatenablog.com/entry/2015/05/25/154241