『ランダム 存在の確率』
原題『Coherence』倫理の首尾一貫性や干渉性の意味
監督 ジェームズ・ウォード・バーキッド
2013年アメリカ映画
ホームパーティーを楽しむエムとケヴィンのカップルや友人計8人。
彗星が近づく夜、いきなりスマホの画面が割れたり、電話が通じなくなったりと、不可解な事がおこる。
そして、停電。
外を見ると、1軒だけ明かりがついている。
電話を借りに向かう2人。そこで見たのは、自分たちと全く同じ人物だった…
そして持ち帰った箱に入っていたのは、卓球のラケットと自分たちの写真だった…
シュレーディンガーの猫と呼ばれる思考実験に基づいたSFサスペンススリラーで、いわゆるパラレルワールドもの。
シュレーディンガーの猫って、
「5割の確率で毒を放出する仕掛けの箱に猫をいれる。常識的には猫は生きているか死んでいるかの一方だが、量子物理学の考えでは両方の状態が共存する。箱を開けて初めて共存が崩れ1つの状態に収束する。」っていう理論なんだってさ。
でも、その共存が崩壊せずに、実は別々に存在しているかもという仮説をたてたら…と。
その、本来交わるべきでなかったパラレルの現実が交わった時におこる事態とは…‼というストーリーです。
手持ちカメラで撮す手法で、POVではないけど、主人公たちのアップをうつしてからピントがあわさるところなど、不安感と臨場感があった。
低予算のためか、ほぼ全編を通して一軒の家でおこるんだけど、よく練られたプロットのおかげもあって、この限られたスペースが効をそうして、よいシチュエーションスリラーになってた‼
8人の微妙な人間関係、嫉妬、不信感…… 短い尺ながらも、うまく表現してた。それらが緊張感を増長させます
また、最初は同じ行動をとると思っていた向こうの人たちとの行動パターンのずれに、なかなか展開が読めません‼
それに小物も効いてたよ♪ こっちが青いライト、向こうが赤いライトでなんだか不気味だし、
グラスや指環など、きちんと布石になるものを置いております。
そしてその箱‼ その箱がなんなのかわかるにつれて、このパラレルワールドの新たな一面も見えてきます♪ ネタバレになるから書かないけど、ここからの展開も面白いです。
この世界がいくつもあり、自分が同じ時間枠をおくっているとしたらと考えると…
そして、自分の決断によって変化する向こうの世界とこっちの世界の違いを垣間見たとしたら…
自分の存在のあやふやさを感じ、恐ろしくなる。
ラストのエマのとった行動は理解できるし、本能であるし、こういったパラレルやドッペルゲンガー的映画ではありがちなのだが、もやっとする後味が良かった♪
手持ちカメラというところもあり、B級色もありつつ、そこが良い♪
藤子不二雄先生のSF(S少し F不思議)漫画を思い出しました。
星4弱
シッチェス・カタロニア映画祭などで様々な賞を授賞したらしい
ちょっと適当レビューでごめんなさい、時間なくて…