『人生スイッチ』
8月12日 映画4本はしごDay
まず1本目
『人生スイッチ』
ヒューマントラストシネマ有楽町にて。
監督はアルゼンチンのダミアン・ジフロン
製作はスペインの巨匠ペドロ・アルモドバル
アカデミー賞外国語映画賞にノミネートされたオムニバス映画。
「おかえし」
飛行機。隣りになった美女と中年の男性が話しだす。偶然共通の知人が‼ラブロマンスの始まり? と思いきや、前の人も後ろの人もその男を知っていて…
「おもてなし」
雨のふるダイナーに一人の高圧的な男が入ってくる。動揺するウェイトレス。この、高利貸しの男のせいで父親が自 殺したからだ。それを知った女コックは、料理にネコイラズを混ぜて殺してしまえと…
「エンスト」
何も無い山の一本道。飛ばす新車。越すのを邪魔する前のボロ車。越す時に新車の男はボロ車を罵倒するのだが、その先でパンクしてしまう…追い付くボロ車‼
「ヒーローになるために」
娘の誕生日ケーキを買っていたら車がレッカーされて、罰金‼罰金‼ そのせいで色々悲惨な目にあうし、そもそも駐車禁止の場所じゃないし‼っつって…
「愚息」
金持ちの息子がひき逃げを起こして、その罪をお金で解決しようとするんだけど…
「ハッピーウエディング」
幸せな結婚式。でも、来賓席に新郎と浮気してるっぽい女が‼ショックのドン底新婦‼彼女のとった行動とは‼
原題は「Relatos salvajes」、英題は「Wild Tales」
どちらも「野生の物語」の意味。
オープニングから野生動物がたくさんでてくるから、きっとそういう本能の映画なんだろうなと思って見てみたら、やっぱりそうだった
人間は理性とか我慢とかで自分を制御するけど、それがなくなったら…
人間の激しい怒りの欲望を制御できなくなったら…
その後は怒濤のような負の連鎖が続いていくんだけど、度が過ぎすぎて楽しいったらないの♪
やれ~‼もっとやれ~♪って思う♪
の反面、誰にでも有りうることでもあり、こんな事になったらと怖くもある(笑)その怖さも楽し♪
6編に共通するのはその部分と復讐。それがちょっと斜め上をいく展開で進んでいきますっ♪
内容は知らない方が楽しめると思うから書かないけど、ちょっとだけ。
エンスト。最初は、スピルバーグの「激突!」っぽい感じかなと思いきや、男二人がケンカみたいになるんだけど、子供かっ‼ってくらいバカで、でも歯止めの効かないのよ~‼ 激突と同じくらい面白い♪
憎しみ会う二人がかなりバカなんだけど、どうなっちゃうの?ってドキドキする‼
ラスト、警察の一言がNice‼
駐車禁止のやつは、理不尽な役所だの、家庭の事だの、つもり積もったイライラが爆発系で、キレたサラリーマン映画「フォーリングダウン」や、キレたおっさん映画「SUPER」に似てるところがあるよ♪←これ、どちらも最高よ♪
あと結婚式のやつは、ラテン系ノリノリ結婚式からの、切なさからの、ラストの口あんぐりで引くわ‼ってほどのやり過ぎ感に、大爆笑w 男大泣きの場面はかなり情けなくて面白すぎるけど、それ以上のシーン、たっくさんありますよw 心理的B級ホラーだよ♪
あ~‼いっぱ書きたくて仕方がなくなってきたw
ほとんどの作品が、最初のシーンだけでは落ちを想像できない‼
というか、想像する隙を与えない速さで進んでいくのですっ‼
世の中の理不尽な事、不条理、貧富の差なんかを、軽快なテンポと馬鹿馬鹿しさとどぎついブラックユーモアで描いた作品です。
たぶん、真面目な日本人は、笑えない人は笑えないし、6編の中でも好き嫌いが分かれると思う。私も笑えないのはあった。
でも、この脚本センス、好き♪
スペインで『アナ雪』を2倍以上もの興行成績‼どんだけラテン系なんだ!どんだけウップン貯まってんだと国民性までも考えてしまうw
日頃、何となく世の中に不満がある人向けの映画だし、B級ホラー好きにも楽しめる映画だし、
一つ一つが短編としてうまくまとまってるし、
それぞれについて笑いながら語りたくなる作品です!
星4.5