『不意打ち』
ご無沙汰しておりました。
こ~んなブログ、誰も見ないと思うのですが(>_<)、
若干のブランクをおいて、復活します。
とりあえず、去年見た映画をアップします。
で、
『不意打ち』
1964年アメリカ映画
監督ウォルター・グロウマン
まずオープニングがかっこいい‼
ソール・バスかと思った‼
白黒の直線曲線で、スタイリッシュかつ、不安感を煽る迫力‼‼
死んだか死んでないかわからない横たわった浮浪者の足をローラースケートでゴロゴロと無言で踏む少女。
7月4日のお祭りで鳴り響く爆竹、吹き飛ぶゴミ箱の蓋。
ラジオではキリスト教徒が核爆弾の恐怖を熱弁する。
犬の死骸。それをさけて通る車たちの渋滞。
無関心な人々…
この映画のこれからの事を意味するかのようです。
ある男が豪華な家で「ダーリン‼どこ?」と呼ぶ。
相手は腰を悪くした母親。まるで恋人同士のようなふたり。
裕福でただのマザコン男かと思いきや、2・3日留守をするという彼の残した手紙には「自殺します」の文字が… これからの不穏な雰囲気。
そして、残された母は、電気系統のトラブルで自宅内(部屋のホールにある)のエレベーターに閉じ込められてしまう。
降りたくとも降りれない中ずり状態。
非常用のベルを鳴らしたところ、気づいたのは浮浪者だけ。彼は家に入り、金目のものを盗んでいく。助けを求めてもこそこそとし、「悔い改めよ‼」と怒鳴るのみ…
そして、売 春婦までも連れ込む。
さらには、街のチンピラ3人組(男二人女一人)までもが押し入り…
彼ら3人の楽しみは窃盗だけでなく、殺人ゲームでもあった…手始めに浮浪者を殺 し…
空中のエレベーターの中、引き上げられても死が待つという絶体絶命の主人公…
エアコンなどの止まってしまった室内は蒸せかえるような熱気に満ち、滴る汗、息苦しさ…
その中での狂気…
チンピラたちの、狂ったような異常性。
リーダーの非道っぷり。
その彼女は、薬物中毒のように奇抜な行動をおこす。突然お風呂に入り、男をさそい、暴力をふるわれてもヘラヘラして懲りない。
手下の男のヘラヘラ感も不気味で、ナイフを振りかざす。
底辺にいるものが支配する、完全に逆なるヒエラルキー。
そして、たたみ掛ける救いのない恐怖…
そして、この映画の本質は、人の無関心さの怖さと、この後半にある非道な行為にあるのです。
ネタバレゆえ言えないけれど、彼女を笑いながら小バカにして…
なんという恐ろしさだろう…
身体的な事ではなく、精神的にずたぼろにしていく。また、彼女の状況が更なる悲劇を生んでいくのです…
彼らを「モンスター‼」と呼ぶ母。
しかし、母は悟るのです… 自分のしてきた束縛や支配を…
そのモンスターを作り出したのはなんなのか、自分たちではないのかと…
それこそ、また恐怖であります。
原題の『LADY IN THE CAGE』
息子を家という籠に閉じ込め過保護に過干渉してきた母が、次は自分が檻に閉じ込められ、外には獣がいる。肉体的にも精神的にも閉じ込められた“立場の逆転”と“因果応報”。
残虐なシーンはありません。グロさもほぼありません。
しかし、後に残るやるせなさは素晴らしく残酷。
様々な狂気を感じます。
って、ダメだ、上手く書けない‼
ネタバレできないサスペンスばかりで、「脳ミソ出て~♪」とかガンガン言えない(T^T)
ネタバレして、それについて思う事もあるのに…(T^T)
星4.6
昔の映画だけど、これは現代の現実でもある。
古くささは感じない。
この映画は、あなたの心になにかを刻む。親世代の人には響くものがあるのでは。
『ある戦慄』にすごく似てる。
都会の人の事なかれ主義と若者の狂った狂気‼ ある戦慄で、若者が人をおちょくっては恐怖に陥れていく所とか、相手の一番ついてほしくない所を責める感じがすごく似てる。
あの映画もほんとに怖かった。
http://mikimickle.hatenablog.com/entry/2016/01/17/021736