ビール片手に映画ナイト☆オブ・ザ・デッド

↑このくまたんを押してもらうと、他のレビューが見れます。ホラー・サスペンス・コメディ・カルト・ミニシアター系を主にほぼ毎晩観ています♪ゾンビLove♪スプラッターLove♪音楽とかわいいもの、ビンテージものもLoveです♪ 過去に観た作品のレビューをゆっくりゆっくり他場所から移行しつつ、新しいのもアップしていくつもりです。なので時系列がめちゃくちゃですみません。

『ある戦慄』

ある戦慄 [DVD]
1967年アメリカ映画



深夜2時、ニューヨーク、ブロンクスを走る地下鉄。
ホームレスが眠りこんでいる地下鉄に、各駅でポツリポツリと人が乗り込んでくる。

4歳の娘を連れた夫婦。夫はリストラで悩んで、タクシーに乗ろうという妻をしかる。
遊び人の男が、若い女を言いくるめてイチャイチャしている。
息子に金を無心したが断られてピリピリしているおじいさんとそれをなだめる妻。
里帰りした帰りの兵士と、ベトナム戦争でケガをしたオクラホマ出身の友人兵士。
ショボくれた高校教師は、妻から子供が出来ない事とお金がないことを責められ、妻の尻に敷かれている。
アル中で仕事も家庭も失った年配の男性。
彼をバーからつけてきたゲイの青年。
黒人の夫は、人種差別に怒りまくり、なだめる妻を白人の味方なのか!となじる。

と、ここまで人物について書いたのは、前半全て、この登場人物の現状を描いたものだから。

そこにアーティーとジョーというチンピラが乗り込んでくる。
彼らは、たった8ドルせしめるために、男性をボコボコにしてきたところだった。
二人は、狭い車両内で我が物顔で暴れまくる。

後半、電車が地下に入り、二人が扉を開かなくしてからは、まさに密室での戦慄が増していく………
ひとりひとりにいちゃもんをつけていく二人。
反抗するものなら、言葉を使って、彼らの内に秘めた弱みを、執拗に責めては、ちゃかし、打ち負かしていく…
狂ったかのように…
それにより、それぞれの心の不満が顕著になっていく…

それをただただ、他人事として見ないふりをする他の人々。
事なかれ主義の恐ろしさ。

白人のいざこざを見てほくそえむのが黒人だけでなく、奥さんの尻にひかれた教師もそうだったところにリアリティーと恐怖を感じてしまった。

都会の暴力と、人間のもつ自己防衛的個人主義、無関心、差別、見栄、虚栄心………

ラスト、戦慄がはしりました。

モノクロで描かれる恐怖
星4.8







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