『バニー・レークは行方不明』
『バニー・レークは行方不明』
1965年アメリカ映画
監督はオットー・プレミンジャー(『悲しみよこんにちは』しか見た事ないけど、タブーとされてきた事を題材にしてきた監督。『ローラ殺人事件』『或る殺人』『カルメン』など)
まずオープニングがかっこいい。黒い紙をビリビリ破ると名前がでてくる。
さすがソール・バス‼(ソール・バスはヒッチコックやプレミンジャーやスコセッシ監督作品のオープニングデザインなどを手掛けたグラフィックデザイナーです。映画では前に載せた『フェイズⅣ 戦慄!昆虫パニック』を監督しました。デザインだと、MINOLTAや紀文や京王百貨店や味の素とかユナイテッド航空とか。)
このジャケもそのオープニングに出てくるよ
アメリカから数日前にイギリスに越してきた、未婚の母アニーと娘のバニー。
アニーの兄のスティーブンの家から新居に引っ越してきたその日、バニーを保育園に預け、ふたたび迎えに行くと、娘の姿がない…
スティーブンと共に園内を探してもいない…
警察の捜査が入るが、教師は朝から不在。
園の他の人もバニーを見ていない。
バニーを見てくれると言った食事係りの女性はいきなり仕事を辞めた…
バスの運転手も彼女たちを覚えていない。
パスポートを探そうとして家に帰ってみると、バニーのものが全てなくなっている
警察は疑い始める。果たして本当にバニーはいるのかと…
園の上に住む園の元経営者の怪しげな老女は、「子供はすぐに帰ってくるわよ」と言う。
彼女にスティーブンがうっかり漏らした「アニーは子供の時に空想の友達がいたんだ。名前をバニーと呼んでいた。」という言葉を聞き、警視はさらにバニーの存在を疑う。
果たしてバニーはアニーの空想の子供なのか…
疲れはてたアニーが家で連絡を待っていると、大家がまた勝手に入ってくる。
娘が行方不明だと言っても、自分の詩人としての自慢とモテ自慢をし、アニーをイヤらしく触ってくる。彼の部屋には骸骨がサド公爵の飾ってある。サドのムチを嬉しそうに振るう。
一体真相はなんなのか……
ジョディー・フォスターの『フライトプラン』も同じような話だけど、最初に子供が画面に出てくるので、こっちとしては存在が確認できる。
でもこの映画は、ずっとバニーが出てきません。
なので、観客も警察と同じようにバニーの存在を疑い、 アニーの精神状態をうかがうのです。
気が狂っているのではと。
これはね、ほんとにこれ以上言えません。
正直、結末は途中でわかるけれども、怪しげな人を巧みに挟みこみ、緊張感ある流れも素晴らしいし、ある人物の異常性が不気味で目を見張ります。
とにかく、ラストにかけての狂気が素晴らしいです。この狂気さまでは想像つきませんでした‼鳥肌ものです。
謎の解ける人形修理屋でのシーンも、おぞましいです。
歪んだ人間関係と、狂気に満ちた行動、童心…
この俳優陣たちの演技がすごいです。表情がやばい‼
50年も前の映画なのに、古くささは全然感じません‼『不意打ち』もだけど。どっちもすごいなぁ…
今までこんな狂気じみてブランコに乗る人、初めて見たよ(笑) このブランコシーン、思い出しても鳥肌たつよ。
星4.5
連続して高得点♪ サイコさんばかりだけど(笑)
いやぁ、しかし、ネタバレしないで面白さを伝えるって、ほんとに難しいわぁ
http://mikimickle.hatenablog.com/entry/2016/01/17/021326