ビール片手に映画ナイト☆オブ・ザ・デッド

↑このくまたんを押してもらうと、他のレビューが見れます。ホラー・サスペンス・コメディ・カルト・ミニシアター系を主にほぼ毎晩観ています♪ゾンビLove♪スプラッターLove♪音楽とかわいいもの、ビンテージものもLoveです♪ 過去に観た作品のレビューをゆっくりゆっくり他場所から移行しつつ、新しいのもアップしていくつもりです。なので時系列がめちゃくちゃですみません。

『悪魔のいけにえ 公開40周年記念版』

悪魔のいけにえ 公開40周年記念版 [Blu-ray]

悪魔のいけにえ』公開40周年記念版
2015年10月25日 at 渋谷HUMAXシネマ

もう、1年も前の事なんですが(笑)



1974年 うだるような暑さのテキサス。
墓荒らしのニュースを聞き、旅のついでに家族のお墓を見に来たサリーと車イスのフランクリンの兄妹とその友達の5人。
途中で怪しげなヒッチハイカーを乗せるが、彼はニタニタしながら突然ナイフで手を切り、フランクリンにも切りかかってくる。
ヒッチハイカーを下ろし先を急ごうとするも、ガソリンが切れてしまう。二人の生家の近所の家にガソリンを借りに向かったのだが、そこにいた、人の皮で作られたお面を被った大男にいきなり襲われる。
家の中は、骨や皮で出来た家具…
そこは、彼やヒッチハイカーなどの住む家だった。
彼らはひとりひとり、猟奇一家の餌食となる…
屠殺ハンマー、肉釣り針、チェーンソーによって…


さて、どこから話していいやら… すごい映画すぎて…
ホラー映画の歴史を塗り替えた恐怖の金字塔。
『ゾンビ』とともにマイベストホラー映画です。
好きすぎてうまく書けないです…

この映画の迫力と狂気、凄まじいです。
狂気としか言いようがない。

まず、人物紹介。
レザーフェイス(当時はブッチャーマンと呼ばれていました。レザーフェイスと言われたのは2から)は知的障害があり、うまくしゃべれない。
そして躊躇無しにハンマーを振り落とす。普通のホラー映画なら、その前になにかしらの前置きがあったりするものだけれど、それがない。
家に入ってきたものを見た途端に殺 し、肉釣り針で吊るす。通常あるであろう人間の、もしくは殺人鬼の悪的感情を感じないのです。

兄のヒッチハイカーのニヤニヤ感と笑い顔、何をしだすかわからない不気味な気持ち悪さ。殺 し担当で、墓を荒して人体を部品とした装飾品を作るのが趣味。その装飾品もかっこよく、床に散らばる骨たちが不気味でたまりません。

彼らの兄のコックは、人肉バーベキューで家計を支えています。
ほぼミイラのおじいちゃんもいますw

そんな彼らに襲われる彼ら。一人一人、吸い込まれるように家に入っていきます。
サリーは、文句垂れフランクリンの面倒をみる優しき女性。演じるマリリン・バーンズの後半の恐怖による狂乱っぷりっは凄まじいです。


さて、この映画の素晴らしさを語ります。

まず、感情移入をさせないところが恐ろしいのです。
サリー‼逃げて‼とかではない。殺 人一家が殺 していくのをワクワクするのでもない。まるでドキュメンタリー映像をみているような気分になります。
しかし、実録殺人ものである(とされている)“スナッフフィルム”と違うのは、嫌悪感とともに謎の爽快感も得るような娯楽性と芸術性の素晴らしさなのです。(実際に、このマスターフィルムはニューヨーク近代美術館に所蔵されています)

そして、40年も前のものなのに、止めどない狂気。
なぜここまで狂気に満ちているのかと言えば、
まず、これが初監督作とは思えないトビー・フーパー監督と撮影陣の手腕。
鳴り止まぬ悲鳴と、響き渡るチェーンソーの轟音と、不気味なノイズは、鳥肌とともに知らず知らずのうちに我々をその場にいるような気持ちにさせます。

それに輪をかけて感じる、じっとりとした熱気と腐臭…これほどまでに臭いを感じる映画はありません。死骸の吐き気をもよおすような臭い…
実際に、真夏の締め切った家で撮影されたこの作品は、キャストもスタッフも、監督を殺 してやりたいと思ったほど過酷なもので、ハードなスケジュールと蔓延する汗と悪臭、苛立ちと狂気が、全てこの映画にダイレクトにでているのです。

例えば、マリリン・バーンズは当時フーパー監督の彼女だったんだけど、ナイフから血糊が出ないという事で実際に手を切られ、逃げ惑うシーンでは傷だらけ血まみれになり、窓ガラスを突き破るシーンでも負傷し、完全にヒステリックで半狂乱していたそうです。
故に、彼女の悲鳴はリアルなもので、その迫力と苛立ちとうるささたるや、もう生半端なものではありません。彼女の恐怖に満ちた目のアップは、どれ程までに恐ろしいのかをひしひしと感じさせる素晴らしいものです。

そして、見るものを飽きさせない、後半の圧倒的なスピード感とたたみ掛ける終わらない恐怖。エンターテイメント性の高さ。
ラストのサリーとレザーフェイスのおいかけっこのシーンは、この地獄がいつまで続くのかわからないような永遠さを感じます。
そのラストも見物です。

あと、忘れてはいけないのが、この時の時代背景。
ヒッピーのお気楽な感じと、ガソリン不足。ベトナム戦争。不安定であり、それまで正しいとされてきた価値観がくつがえされた変革の時。
これは、そんな時代を風刺したアメリカン・ニューシネマでもあるのです。
そんな中、ベトナム戦争により日々残酷な映像を見ていた当時の人も、その恐ろしさに目をみはり、あちこちで上映禁止にもなりました。

また、ヒッピーの若者と、なにをしでかすかわからない田舎のものの対立を描いたものでもあり、のちに「田舎ホラー」と呼ばれるホラージャンルの先駆者でもあるのです。
田舎ホラー。限られた狭い範囲の中での血の交配。その血の濃さから生まれる“変わった”人々。他からの影響を受けずに独自の価値観と排他主義。その恐怖はホラーファンを引き付けずにはいられないおぞましさがあります。


と、書いたけど、まだまだ全然この映画の怖さは伝えられません。
長くなりすぎる。あ、十分長い…


でね、恐ろしい反面、私はレザーフェイスの事がとっても可愛いの(笑)
いつもはマスクにシャツにネクタイにエプロン。このマスクがまた良いのよ‼
お料理する時はおばあちゃんマスク(old woman。もちろん人皮)に可愛いエプロン♪
お客様を迎えての晩餐には美人さんマスク(pretty woman)をつけてスーツをちゃんと着ます♪そのメイクも下手くそすぎて可愛いw

元屠殺業のおじいちゃんに、サリーの頭を殴らせて殺そうとするシーン。この食卓の晩餐シーンももかなり嫌悪感の溢れる、胸くそ悪くなる素晴らしく恐ろしいシーンなんだけど、
半狂乱になり騒ぎまくるサリーをヒッチハイカーが押さえつけ、おじいちゃんにハンマーを持たせるんだけど、おじいちゃんは殺す気は満々だけどハンマーを持つ力がない。持ってはゴンっと落ちる…一家の笑い声…終わらない地獄のような時間…
だけど、優しいレザーフェイスは、何度も何度も持たせてあげます♪ヒッチハイカーも「がんばれ、じいちゃん‼」と応援しますっ‼ ほのぼのしますwww

そして、ラスト、サリーを逃がしてしまい、美しい朝日の中でチェーンソーを振り回して悔しがるチェーンソーダンス♪ 可愛いったらない‼‼ その前に間違って自分の足を切っちゃうのも可愛いのよw

私はそんな彼が大好きなのだっ‼‼


で、今回、この作品が公開40周年を記念して、長い年月とおそろしく手間をかけ、超高解像度の4Kスキャニングとして蘇りました‼
当時、安価な16ミリで撮られたのだけれど、その荒くざらついた雰囲気はそのままに、かつ、今まで暗くてよく見えなかったものが鮮明に見えました‼ このバランスが素晴らしかったです。
オープニングで、墓の上に作られた死体オブジェの生々しい腐った血のしたたり、逃げ惑う森と肌を引き裂く枝、家の中の細かなディテール、レザーフェイスのお面の細かさ、そして、その奥に見える彼の瞳… 後のシリーズを見て、彼の生い立ちなどを知っている分、その瞳に様々な感情をおこさせるような瞳…
これを劇場で見れたことがほんとに嬉しいです。


そんな、今見ても息もつけないほど恐ろしく、なおかつ狂気のエンターテイメント性に溢れ、かつ、恐ろしさとともにその不気味さに笑ってしまい、レザーフェイス愛がとめどない作品です。


「狂」
ほんとに好き過ぎる。


あと、一説に、この映画にヒントを得たとされているのが、実際にあった猟奇殺 人者のエド・ゲイン。
彼は、墓を掘り返したりして、その骨と皮膚で装飾品や家具や食器をつくり、胸のついた人皮チョッキを身につけて、人皮で出来た太鼓を叩きながら夜に踊っていた、そんな人です。一番好きなシリアルキラーですw たまにブログにでるけどね。
ヒッチコックの『サイコ』のモデルにもなっています。


ほんと、劇場でこれを観れた幸せ…………


来場者先着プレゼントのポスター、ゲット‼
高橋ヨシキさんデザイン‼欲しかったんだぁ♪


で、パンフとTシャツも買うよね♪
Tシャツ、かっこいい……www サイズ、Lだけど気にしません‼いつもxsかs着てるけど、気にしません♪やったぁ~♪
ラスト1着だった……ギリギリセーフ‼後ろのおじさんも買おうとしてた‼ ごめんなさい…

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↑ちなみに、このフィギュア、フレディ君のフィギュアと一緒に遊んではニヤニヤしています…

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