『シンプル・シモン』
『シンプル・シモン』
2010年スウェーデン映画
2015年3月観賞。
これ、めちゃくちゃ観たかったんだ~♪やっとDVD化♪
アスペルガー症候群のシモン(ビル・スカルスガルド)は、人に触られるのも自分のペースを崩されるのも、人と深い関わりを持つのも嫌い。
嫌な事があると自分のロケット(ドラム缶改造したようなもの)に閉じこもる。
唯一の理解者は同居しているお兄ちゃんサムだけど、シモンのせいで彼女と別れてしまう。落ち込んで、生活ペースがめちゃくちゃに。
サムに理想の彼女を作るため、シモンは奮闘して探しまわる‼
そんな中、天真爛漫なイェニファーと出会い……
物理と天文学が好きなシモンは、よく物事を物理的に判断するんだけど、そのへんの見せ方が『天才スピヴェット』と同じで画面上に線や式が出て来て、あと、人の表情の分類とかも表されていて、シモンのものの見方がよくわかる。楽しい♪
ってのは置いといて、とにかくハッピーな気持ちになる映画です♪
アスペルガーという障害により重い映画になりそうなところを、全体のポップさとユーモアさ、そしてなによりシモンのひょうひょうとしたキャラクターで、ニコニコしてしまう。シモンがいとおしいわぁ。
イェニファーがまた良いのです‼天真爛漫破天荒、お茶目で、キュート‼優しさも兼ね備えていて♪
イェニファーとシモンのやり取りのシーン、笑ってしまうわぁ♪ 大好きなシーン‼
例えば、僕にさわるなというシモン、それに対して忘れちゃってガンガン触っちゃうイェニファー。その度に突きとばされるw
でも、テキーラをガンガン飲ませちゃったり、ちゃん叱ったり。
障害というもので、人を判断していないのです。
ほんとに素敵な女性で、こんなあっけらかんとした人になりたい‼
お部屋の鳥さんとかも可愛かった♪
サムとシモンの関係性も良かった。二人の喧嘩がハラハラしたり。サムの気持ちもわかるし…
脇役も良い‼ ロケットから出てこないシモンをお金でつろうとする父親や、シモンの職場の同じく障害をもった仲間も愉快だった。障害を愉快だっていうのも語弊がありそうだけど、でもほんとにそう感じさせるの。
障害を愛の溢れるユーモアで包んでいる映画です。まわりの誰しもが、差別や色眼鏡や偏見が全くない。
そして、アートワークがかわいい♪北欧好きとしてはたまらない♪
レトロなタイプのインテリアのシモンの部屋♪ 丸が大好きだから丸ばっかり。
それに対して、物が多くてごちゃごちゃしてるけど、なんとも楽しいイェニファーの部屋♪
赤と青が印象的♪
音楽もスウェーディッシュポップでかわいい♪
ウェス・アンダーソンぽくもある♪
ニッコリホッコリでちょっと泣く♪
すごい好き‼もちろん星5‼
例えば、『チョコレート・ドーナツ』が、心に響く泣ける障害ものなら、これは陽のイメージです。
私はこっちのほうが好きです。「かわいそう」と感じさせないから。泣かせようとしてないから。
もし、自分が障害があったら、差別されたくないよね、区別されたくないよね。かわいそうって思われたくないよね
そんなわだかまりを解消してくれる映画です
でも、もちろん、チョコレートドーナツも素晴らしい映画です‼‼