ビール片手に映画ナイト☆オブ・ザ・デッド

↑このくまたんを押してもらうと、他のレビューが見れます。ホラー・サスペンス・コメディ・カルト・ミニシアター系を主にほぼ毎晩観ています♪ゾンビLove♪スプラッターLove♪音楽とかわいいもの、ビンテージものもLoveです♪ 過去に観た作品のレビューをゆっくりゆっくり他場所から移行しつつ、新しいのもアップしていくつもりです。なので時系列がめちゃくちゃですみません。

『ナイトクローラー』

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ナイトクローラー
@新宿シネマカリテ

LA。金網などを盗んでは生計をたてるルイス。
ある時、道路での事故を撮影してテレビ局に売る“ナイトクローラー”という報道パパラッチの存在を知り、自転車を盗んだお金でカメラと警察無線傍受機を手に入れて、見よう見まねで始める。
運よくカージャックの映像を撮影し、テレビ局に売り込み、路上生活者のリックをただ同然で雇い、いくつもスクープを取っていく。

そして、アングルのために死体を動かすなど、どんどんとタブーをおかし…
ネタが取れないという壁にぶつかり、彼は一線を越えていく…


正直、下衆の極み♪

自信をつけたルイスは、ネットで知った情報をさも自分の言葉のようにごたくを並べ、嫌みな交渉をし、相手をねじ伏せる事で自己顕示欲を満たす。
女ディレクターのニーナを支配しようとするのも、赤いスポーツカーを買うのもその表れ。(ルイス、異様に運転技術が高いのよw カーチェイスも迫力あり‼)


でも、「視聴者は裕福な白人がヒスパニックや黒人に殺される事件を求めている」と言い、死体が映った映像を手に入れて笑って喜んでるニーナもかなり下衆。
視聴率の為にはルイスが違法行為をおかしていようとも関係ない。倫理などない。

で、ショッキングで残酷な映像を見たがる視聴者も下衆でなのである。

そして、なにより、ルイスにもっともっとゲスい事をして欲しいって思いながらみてる観客の方がゲスだわっ‼とw
ルイスに嫌悪感を抱く観客もいると思うけど、あくまで私は、結末がわかっていながらもそれを思いっきり期待してしまう♪更なるゲスっぷりを期待してしまう♪ 私はゲスですよ~♪

また、私たちがテレビなどで目にする現実のあやふやさも感じました。なにが現実でなにが虚構なのかなんてわからない恐ろしさ…


で、最低野郎のルイスだけれど、自分の事を「勤勉で覚えが早い」と言うだけあって、努力家でもあります。この社会で学んだ事を吸収し、交渉スペックもどんどんあがっていく。
「目的のため」にどんな手を使ってものしあがって行く姿は、その大小に関わらず誰でもある事なのかもしれない。
これは社会の縮図、歪んだアメリカンドリームの縮図だと思う。
他者を利用し踏み台にし、ライバルを蹴落とし、タブーをおかし、嘘を付き…そうやって世の中の成功者たちはのしあがってきたものだ。

故に、このラストは納得。


このルイスを演じるジェイク・ギレンホールが最高に良いキャスティング。ギラギラとまばたきもせずに見開いた目は、執拗であり狂気的であり、不気味なパワーを感じる。口角のあがった口元が、何かを企んでいそう。
部下のリックに、愛称のルーとは絶対に呼ばせず、叱咤するも、後半にPleaseと言う言葉使いをし始めたりして、気味が悪い。
でもなぜだか少し可愛い。植物にお水をあげて、シャツにアイロンをかけて、昔のコメディ映画をみて一人で笑っている姿を見ているので、何故か憎めない。コミュニケーションをうまくとる事もできない、うまく人を愛する事の出来ない孤独な男なんだ、そして認められたい人なんだ。


酷い事をしているのに、緊張感と感動的盛り上がりを演出する音楽も素晴らしい‼ 違和感ありありなはずなのに。この音楽によって、ルイスの気分になるのだ。

ラスト、序盤に警備員から奪った腕時計のアップが映る。
彼は結局、変わっていないんだと、そう感じました。人からなにかを奪うことで成功をおさめ続けたルイス。悪を悪だと思っていないのだ。
そんな最低なサイコさんのルイスを応援したくなる。彼から目が離せなくなる。悪のカリスマ性に釘付けになる。そんな映画。

欲、貧富の差、犯罪と闇に溢れるLAの夜を、ルイスはハイエナの如く、破滅という獲物を求めて駆け巡る…
狂気と共に。

星4.4

監督は『落下の王国』、『リアル・スティール』、『ボーン・レガシー』などの脚本を手掛けたダン・ギルロイトニー・ギルロイの弟。
撮影は『ゼア・ウィル・ビー・ブラッド』でアカデミー撮影賞を受賞したロバート・エルスウィット。
音楽は、数々のノミネートと受賞歴のあるジェームズ・ニュートン・ハワード
↑と、ネットで得た知識を並べる私も、ルイスと変わらないのである。監督の事なんて知らなかったもん(笑)



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