『リアリティのダンス』
2014年10月観賞
ホドロフスキー監督の23年ぶりの新作。
シネマアミーゴっていうカフェで。
1920年台、軍事政権下のチリで、厳格な父親と、息子を自分の生まれ変わりとして信じる母親のもとに産まれたアレハンドロ少年は、親の愛を受けたい一身で、自らを圧し殺して生きていた。
外では、ユダヤ人であるが故にいじめをうける日々。
ホドロフスキーの半自伝的映画。
チリのカラフルな町並みと、荒涼とした大地、スラム街を舞台に、
哲学と宗教と政治を織り交ぜながら、
家族の再生と愛、そして過去の自分との決別を描いた至極の1本。
画面いっぱいに広がる色!!
原色の街、青い服、赤い靴、緑とオレンジのピエロ、サーカスのテント、疫病を表した黒い服の人々。
そして、異形の人々。鉱山で手足を失った人々。ホドロフスキーならではだわ。
男らしくしろと虐待まがいでアレハンドロ少年を鍛える父親ハイメは、『エルトポ』でずっと素っ裸だった、実の息子のブロンティス・ホドロフスキーが演じているのだけれども、彼はDUNEのために何年間も柔術を習わされてて、結果的にDUNEはおじゃんだし、色々と父親に振り回されてきたかと思う。この映画でも素っ裸になってるけどね(笑)
だから、ハイメ = ホドロフスキーな感じもした。
イバニェス政権を憎み、スターリンを崇拝する共産党員のハイメは自分の中にも独裁者を見つけてしまうんだけれど、ホドロフスキーも自分をそう感じたのだろうか………
母親のサラは、豊満な体で、セリフが全てオペラのような歌になっていて、幻想的な夢の世界にいるような人物として描かれていた。
そして、アレハンドロ少年。常に悲しげな淋しな表情で………彼の目が全てを語ってた。
時折、ホドロフスキー本人も出てきては、アレハンドロ少年を抱き締める。
とにかくシュールかつ幻想的で、まるで夢の中にいるようだった。
ほんと、残酷で美しい人間讃歌だわ♪
素晴らしかった!!
星5
吐く位見たかった映画が見れたってだけで、もうほんとに幸せヽ(´▽`)/
http://mikimickle.hatenablog.com/entry/2015/05/25/152927
http://mikimickle.hatenablog.com/entry/2015/05/25/153140
http://mikimickle.hatenablog.com/entry/2015/05/25/153913